タージ・マハル〜北インド、ウッタル・プラデシュ州、デリーの南約 200km〜 世界遺産特集です!
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タージ・マハル◆世界遺産◆

タージ・マハルとは?

タージ・マハルは、インド北部アーグラにある総大理石造の墓廟建築です。タージ・マハルは1632年着工、1653年竣工。1983年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。タージ・マハルはムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、ペルシャやアラブ、果てはヨーロッパから2万人もの職人を集め、22年の歳月をかけて建造させたといわれているインド=イスラーム文化の代表的建築です。シャー・ジャハーンが、愛妃ムムターズ・マハルの死(1630年)を悼んでタージ・マハルを建設したという逸話は有名です。
タージ・マハルの名前の由来はよくわかっていませんが、王妃の名ムムターズ・マハルを縮めたものではないかという説が有力です。タージ・マハルを言葉どおりに訳せば「王冠宮殿」もしくは「宮殿の王冠」という意味になります。
 

タージ・マハルはなぜ有名なの?

インドのタージ・マハル廟は、世界で最も人口に膾炙したイスラーム建築です。タージ・マハルは墓廟ではなく宮殿だと思いこんでいたとしても、タージ・マハルがどんな姿をしているか、誰でも思い浮かべることができるでしょう。 それほどタージ・マハルが有名になった原因として次の4点が考えられます。
第1は、タージ・マハルの姿があまりにも美しく、タージ・マハルのすべてが白亜の大理石でつくられていることとあいまって、タージ・マハルがこの世のものとも思えない、まるで天上の楽園か メルヘンの宮殿のように見えることです。
第2は、タージ・マハルの建設の経緯がはらむロマンスが人びとを惹きつけるからでしょう。ムガル朝第5代皇帝のシャー・ジャハーンは 宮廷貴族の娘のムムターズ・マハルを娶り、ハーレムに多くの美女がいたにもかかわらず、終生彼女ひとりを深く愛し、14人もの子供を産ませました。15人目の産褥熱で彼女が世を去ると、彼は深い悲嘆にくれ、タージ(ムムターズを略した愛称)の思い出に最美の廟を建てる決心をし、タージ・マハルの建築に国家財政を傾けます。ヤムナー河の対岸には自身のための黒大理石の廟を相同形で建てるつもりでいましたが、王子アウラングゼーブによって廃位させられ、アグラ城の一隅に幽閉されて、河向こうのタージ・マハルに亡き王妃を偲んで 最晩年を過ごした、という物語です。
第3は、タージ・マハルのようなイスラーム建築の特質は 皮膜的建築ということであって、外部に彫刻的形態を誇示することではない。 しかし、囲まれた中庭や内部空間の美というのは、現地で体験してみなければ、なかなかその感覚がつかめません。 ところがタージ・マハルは、イスラーム建築であるにもかかわらず、インドの彫刻的建築として、独立した優美な姿を惜しみなくさらすので、実にわかりやすいし、たとえ現地に行かなくとも、タージ・マハルの写真だけで感嘆することができるからです。
第4は、世界の多くの人びとの美意識が、視覚的形態に重きを置く19世紀ヨーロッパの美学で基礎づけられているからです。 体験的な美、触覚的な美、思索的な美よりも、絵画的な色や形や姿の美といった 古典的な判断基準が優位にあります。20世紀の意識的な美術家たちがそれを覆えしてきたとしても、大衆の美意識は未だに19世紀的であるのです。 タージ・マハルの次に有名なイスラーム建築がスペインのアルハンブラ宮殿だとしても、タージ・マハルのほうが はるかに理解されやすいのです。

タージ・マハルの建築様式

タージ・マハルはチャーハール・バーグというペルシア様式をもち、直角に交差する二本の長い水路と水路に沿う赤い砂岩の小道の脇には、4つの庭園が配置されています。タージ・マハルの300メートルの沿道の先には、高さ73メートルの白大理石の姿がそびえたちます。水路には優雅な花の形をした噴水があり、なめらかな水面に波紋をつくりだします。4つの尖塔をもつタージ・マハル霊廟の両翼には西にモスク、東にゲストハウスがあり全ての建築群は、厳密な対象性を持っています。タージ・マハルは死者の和らいだ魂が安息の場を見いだす天国になぞらえ、コーランにでてくる天国を象徴しているとされています。タージ・マハルの内部は中央の葬礼室を8つの部屋で囲む造りになっており、見事な透かし彫りの壁に囲まれています。それぞれの部屋は、8つの天国を表すとされており、その中央の部屋には大理石の石棺が納められています。偶像崇拝を禁じているイスラム教では、草花が描かれますが、タージ・マハルの壁や、柱一面に描かれている装飾は見事なものです。いつまでも色褪せることがないようにと、タージ・マハルには宝石や石が埋め込まれており、楽園に咲く花々をイメージされています。

タージ・マハルを例に見る環境問題

近年、大気汚染によるタージ・マハルの損傷が問題化しています。排ガスによるタージ・マハルの直接的な汚れの他、酸性雨によってタージ・マハルの大理石が溶解する現象などが報告されています。地下水の過度な汲み上げにより地盤が沈下し、タージ・マハルの四本の尖塔が外側に傾きつつあるとの報告もあります。開発による世界遺産への悪影響の顕著な例として問題にされています。

タージ・マハルを造るための建材について

タージ・マハルを造るための建材は、インド中から1,000頭以上もの象で運ばれてきたといわれ、タージ・マハルの材料である大理石はラージャスターン地方産であるといわれています。その他、碧玉はパンジャーブ地方から、翡翠は遠く中国から、トルコ石はチベットから、ラピス・ラズリはアフガニスタンから、サファイアはスリランカから、カーネリアン(紅玉髄)はアラビアから持ち寄られたといわれており、全体で28種類もの宝石・鉱石がはめ込まれていました。
およそ580m×300mのタージ・マハルの敷地全体は塀で囲まれており、主に5つの要素から構成されています。赤砂岩で縁取られた南門(ダルワーザー)、正方形で幾何学的に分割されたムガル式四分庭園(バギーチャー)、西側のモスク(マスジド)、東側の迎賓施設(ミフマーン・カーナー)、そして高さ42mの4本の尖塔(ミナレット)を従える墓廟(マウソレウム)です。タージ・マハルのマウソレウムは幅、奥行きとも約60m、中央のドームの高さも約60m、東西南北どちらから見ても同じデザインです。ミナレットとともに、100m角、高さ7mの基壇の上に載せられています。
死後はムムターズ・マハルの隣に葬ることを、アウラングゼーブ帝に認められたため、現在タージ・マハルには、シャー・ジャハーン帝とムムターズ・マハルの棺が並べて安置されています。

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